いきさつ
コロナ流行後の世界的な半導体不足を背景にシングルボードコンピュータ(Raspberry Pi(ラズパイ) や Jetson)を入手することが難しくなってきている。
今年の春頃に “Raspberry Pi4” を使って何かやりたいなと思って通販サイトや秋葉原の店頭を回ってみたけど軒並み売切れの状態だった。
手軽なLinuxコンピュータとして使えるラズパイはIoT用途に限らず、プログラミング教育などにも使えるので一家に一台(?)はあったほうが色々と便利だと思うのだけどないものは仕方ががない。
ラズパイ3が3,000円程度で手軽に買えた時代が懐かしい…
世の中の流れ
2021年くらいまではまだ在庫があったし、必要になったらいつでも買えるだろうと思っていたけど、2022年になってからはほとんど見なくなってしまった。いつまでもあると思うな親とラズパイ。
- 2022年冬春: ラズパイ3, 4が軒並み品薄になる
- 2022年夏秋: Rasberry Pi Zero 2 W が発売されるがすぐ売切れになる
コロナの流行が収まってサプライチェーンが回復するまでにはまだ結構時間がかかると思うし、円安も続いているので前と同じような(2010年代後半のような)状況に戻るようなことはしばらくは考えにくいかも。
新情報?(2022年9月時点)
Physical Computing Lab の販売ページに入荷見込みの情報が掲載されていた。次回の入荷予定は “2023年9月” とのことで、当面は需給が厳しい状況が続きそう…(予定通り入荷するとも限らないし)
最も入手しやすいのはキーボード一体型
ラズパイ基板とキーボードが一体化したモデル(Raspberry Pi 400)がある。基本的な性能はRaspberry Pi4 4GB と同じなので、組込み用途ではないもしくは置き場所に困らないのであればこのモデルを購入するのもありだと思う。
Raspberry Pi 400 は人気があまりないのか、いつ見ても在庫がたくさんある(店頭でも買える)ので最も入手しやすいモデルといえる。キーボード配列の違いで、日本語配列と英語配列の2モデルあるので使いやすいほうを選ぶとよさそう。メモリはどのモデルも4GBになっている。
IO拡張用のピンヘッダは40本あってラズパイ3,4と同様に使うことができるが、ケーブルの取り回しが少し面倒になる感はある。
ラズパイ4のキット売り(教材付き)
キーボード一体型には抵抗がある場合、ラズパイ4のキット売りを買うのも手のひとつだと思う。キット売りというのはラズパイ4本体のほかに電源アダプタやSDカードなどがセットになっているものになる。
KSYのページを見てみると、教材付きのキットが16,500円(4GBモデル)もしくは19,250円(8GBモデル)で在庫がある状態で販売されている。在庫があった頃はそれぞれのモデルは大体10,000円とか12,000円くらいの値段で売られていたので、+6,000円~7,000円で必要なものが揃った状態で手に入れられる。
電源アダプタとケースとSDカードを新調しようとしたら、2,000円~3,000円くらいはするので、そこまで割高という印象はない。(すでに持っている人からすれば余分だけど…)
Raspberry Pi Picoシリーズ
従来のラズパイ(Raspberry Pi 3, 4, Zero)とは別に “Pico” の名を冠したラズパイがある。名前からして Zero をもっと小さくしたモデルなのかと思ったのだが違っていて、シングルボードコンピュータではなくマイコンの一種だった。ラズパイと同じような使い方ができないので注意が必要。
- マイコンの一種
- Linux(Raspberry Pi OS)は動作しない
- GPIOやSPIなどのI/Fは同様に使える
Jetson nano
ラズパイではないが似たようなものに “Jetson nano” がある。これはNVIDIAが販売しているGPUを搭載したシングルボードコンピュータなのだけど、ラズパイと違ってまともな値段で購入できない状態が続いている。
コロナ禍になる前は15,000円もあれば開発者キットが買えたのだけど、今となってはAmazonあたりで90,000円くらいで売られている。エッジコンピューティングで使わないのであれば普通にGPUの載ったPCを買ったほうがいいような状況といえる。
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